HAPPYおむつライフ

富士山の麓から、おむつなし育児の記録をつづります

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たれ流しじゃない!おむつなし育児のメリット・デメリットをご紹介

「おむつなし育児」と言うと、「たれ流し?」「もうトイトレしてるの?」という反応がほとんどです。「そんなに急がなくてもそのうちおむつ取れるのにかわいそう」と思われてしまうことも。実際にはおむつをしているし、トレーニングでもありません。子どもに寄り添うことを大切にする育児方法です。おむつなし育児に取り組んでいる方の中には、私のように「なかなか人に言えない…」と思っている方も多いのではないでしょうか。

今日は、そんな誤解を少しでも解けるよう、おむつなし育児とは何かをお伝えしたいと思います。

 

おむつなし育児、メリット・デメリット

 

なんでおむつなし育児?

なぜ今おむつなし育児なのでしょうか。メリット・デメリットの前にちょっと一緒に考えてみてください。

誰だっておむつの中でしたくない

「赤ちゃんに尿意便意なんてないし、いつするかわからないからおむつをする。紙おむつはさらさらで気持ちいいから、赤ちゃんにとってもおむつの中で無意識に排泄させてあげるのがいちばん!」…と思っていませんか?もしくは、紙おむつが当たり前すぎてそんなことすら考えたことがないかもしれませんね。

でも、紙おむつの中で排泄することを想像してみてください。「わざわざトイレに行く必要もないし、忙しくてもその場でできるから便利だよ!」なんて言われても抵抗があるし、気持ち悪そうですよね。看護学校ではおむつ体験があるそうですが、いざとなるとなかなか出せないそうです。

赤ちゃんも一緒です。新生児の頃、おむつを開けた途端にシャーッと飛んできた経験はありませんか?あれは、おむつのような閉鎖空間で排泄したくないという、赤ちゃんの本能によるものです。そして、「お腹空いた!」「眠い!」と泣くのと同じようにおしっこしたくて泣いているんです(おしっこが出て気持ち悪いから泣くのではなく、出そうなときのむずむずが気持ち悪くて泣いている)。

24時間365日おむつを装着するということは、開放空間ではなく閉鎖空間で排泄するようにトレーニングをしているのと同じことです。そして何年かたつと、またトイレという開放空間で排泄することを覚え直さなきゃいけなくなります。大人が急におむつの中で排泄できないのと同じように、子どもにとっても排泄の習慣を変えるというのは本当に大変なことなんです。

 

増えるトラブル

日本の子どものおむつが外れる平均年齢をご存じですか?1960年時点では平均1歳9ヶ月、20年後の1980年では2歳3ヶ月、さらに約30年後の2009年のおむつ会社の調査では、3歳4ヶ月ということがわかったそうです。約50年の間に1年7ヶ月も遅くなっています。寝返りやあんよができるようになる時期はほとんど変化していないのに、です。

なかなかおむつが取れなかったり、おもらしをする子が最近増えているという声が、保育や教育現場で上がっています。実際に私も、「おむつ外れが遅くなって大変」という保育士さんの声を方々で耳にします。日本に紙おむつをもたらしたアメリカではおむつ外れの年齢はさらに高く、小学生以上用の紙おむつが普通に売られているというのですから、これはちょっと異常と思わざるを得ません。

一方でおむつをほとんど使わない習慣のある国の子どもたちは1歳半~2歳頃までに排泄が自然に自立するのですから、紙おむつに頼りすぎる習慣はちょっと見直してみる必要がありそうだと思いませんか?

 

おむつなし育児ってどういうこと?

では、おむつなし育児とはどういうことなのでしょうか。どうすればおむつなし育児といえるのでしょうか。ヒントやコツなどはいろいろなところで紹介されていますが、それは全て以下のことを目標にしています。

子どもにとって

  • おむつの外(開放空間)で排泄する
  • 排泄物が身体から出ていることを五感で認識する

上の2つの内、どちらかだけでも大丈夫です。おむつに頼りすぎずに、気持ちよく排泄できるようサポートすることと、自然な排泄の発達を妨げないようにしてあげることです。 

 

大人にとって

  • 「なるべく気持ち良い排泄をさせてあげたい」と子どもに心を寄せること
  • 開放空間で排泄する能力を失わせない
  • 排泄物が身体から出ていることを五感で認識する経験をさせてあげる
  • おむつは大人の都合でしてもらっていると認識する
  • おむつに”頼りすぎない”
  • 排泄の身体機能が整う1歳後半~2歳前後頃にはおむつを外す
  • おむつやパンツで排泄したらなるべく早くキレイにしてあげる

現代の日本では、おむつゼロというわけにはいきません。でも、本来はおむつの外で排泄するものであって、おむつは大人の都合でつけてもらっているということをまずは認識するところから始めます。そして、できるだけ子どもが気持ちよく排泄できるよう寄り添ってあげることです。

「おむつなし育児をすればこんなメリットがある!」と期待する前に、ひたすら子どもと向き合うのがおむつなし育児の理想ですが、「寄り添う」と言っても具体的な正解のやり方があるわけではないし、時間も人手もなく孤独で子育てしにくい今の日本では難しい面もあると思います。 メリットについては後述しますが、メリットを念頭に置いてもらって良いと私は考えています。ただ、子どもに寄り添うということも時々思い出してください。ちょっとイラっとすることがあっても、「おしっこできて気持ちよかったね」「濡れたから替えようね」と形だけでも言ってみてください。そうすれば、進めていくうちに寄り添うということが見えてくると思います。最初はマニュアルのようなものに沿って進めていても、だんだん子どもとコミュニケーションをとること自体が楽しくなって、教科書どおりに進まなくても必要以上に焦らなくなってきます。スポーツや音楽などの習い事がそうであるように、初めは型のようなものを繰り返して、そして続けているうちにその心もわかってくるものなんじゃないかと思います。

 

おむつなし育児のメリット・デメリット

それでは、メリット・デメリットをご紹介します。あまり一般的ではない育児法なので、「体に悪いんじゃ?」「本当に大丈夫?」などと心配される方もいるかもしれませんが、心にも体にもメリットがたくさんあります。

子どもにとってのメリット

  • 一度にたくさん排泄できる
  • 機嫌の良い時間が長くなる(すっきり排泄できる、排泄の欲求を受け止めてもらえる等)
  • おむつかぶれが改善する
  • 排泄コントロール能力が自然に育ち、1歳後半頃におむつがいらなくなることが多い
  • 身体の動きが活発になる
  • お昼寝時、気持ちよさそうに深く眠る

子どもにとってのデメリット

  • なし!

 

大人にとってのメリット

  • 子どもの排泄のタイミングだけでなく、他の心身の状態も前よりわかるようになる
  • その結果、育児に自信がつき、子育てが楽しく子どもが可愛くなる
  • おむつの使用量が減る

 

大人にとってのデメリット

  • 短期的に見ると、おむつに頼りきるよりも手間がかかる
  • 排泄したそうな時がわかるだけに、それに振り回されることもある
  • 洗濯物が増えることもある
  • 親の気を引くために「おしっこ」を利用されることもある
  • 人に預ける時にちょっと困ると感じる人もいる

 

子どものメリット・デメリットについては、「気持ちよく排泄できること」をサポートするためのものなので、その通りなのはすぐ理解いただけると思いますが、気になるのは大人側のメリット・デメリットですよね。「親の気を引くためにおしっこを利用」というのはちょっとまだ経験がないのでわかりませんが、あとはだいたいその通りです。ただ、デメリットがいくつかあっても、おむつなし育児をしている方は「おむつなし育児の方が楽!」と言います。私も特にデメリットとは感じていません。最初は「手間>効果」としか思えないかもしれませんが、やっているうちにちょっとずつ変化が見えてきたり、寄り添ったりコミュニケーションをとること自体が楽しくなってきて、「楽しさ>効果>手間」に変わっていくのではないかと思います。そしておむつが外れるのが早いのですから、トータルで見ると楽なんだと思います。最初は「あり得ない!」と思っていた粗相も、だんだん気にならなくなってきます(おしっこは、出たばかりはほぼ無菌なんですよ)。

私も今おむつなし育児をしていてとても楽しいです。トイレやおまるで気持ちよさそうに排泄する姿はいっちょ前で本当に可愛いですよ。今の常識じゃ「1歳児が尿意や便意を伝えてトイレやおまるでするなんてできっこない」と親のハードルが下がっているところに、娘はそれをやってのけるんですから、トイトレのようにイライラしないどころかそのギャップで感動ものです。まだ「あっち」「こっち」「これ」「あちぃ(熱い)」だけしか話せない娘ですが、いっぱい発信してくれて、不思議と何が言いたいかが伝わるというのは本当に楽しい体験です。各家庭に事情や方針がありますから、絶対全員おむつなし育児をすべき!とは思いませんが「ちょっとやってみようかな」という人が増えて、この楽しさを分かち合える仲間が増えればいいなぁと思っています。